ホーム創作日記

カーの法則

 もちろん「カーの法則」は幾つも考えられるのだが、私がその中でも最た
るものの一つだと思うのが、以下のものである。           

「ロマンスは成就する。               
もし、邪魔になる人物がいるのなら、そいつが犯人だ!」

カーの作品は、ハッピーエンドで終わる。
カーの作品には、ロマンスが出てくる。 
従って、ロマンスは必ず成就する。   

 上記のような三段論法の結果かどうかは不明だが、カーの作品の多くにロ
マンスが含まれ、まず間違いなくそれは成就する。何故だかカーの作品は読
む端から忘れていってしまうので、断固とした主張は出来ないのだが、私が
思い出せる範囲では、例外はない。で、その論理(?)の流れはこう続く。

ロマンスは必ず成就する。       
邪魔者は排除される必要がある。    
犯人であれば、確実に排除できる。   

 こういう流れでそうなってるのかどうか不明だが、いかに確実(そう)
なアリバイがあろうと、いかに怪しくすらなかろうと、ロマンスの邪魔に
なる人物(夫や妻や婚約者など)がいれば、そいつが犯人だと思って、ま
ず間違いない。                         

 被害者という形でも、排除は可能だと思うのだが、そういう形式の排除
は、カーの作品にはほとんど見受けられないように思う。これは、自らの
創作した登場人物に対してすら発揮される、フェアプレイを重んじるカー
の騎士道精神の表れなのではないだろうか?            

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