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あとがき解答予想
(「そして扉が閉ざされた」「複製症候群」の完全ネタバレ、
「クラインの壷」のちょいバレがあります!要注意!)
さて、一体あとがきで述べられている岡嶋作品とは何なのだろう
か? .
かなりの人がそうだと思うが、私も本文より先に、あとがきや解
説を読むタイプである。そこに、「岡嶋二人(井上夢人)さんの、
ある有名な作品の趣向を、自分なりに試してみたかった」及び「特
に思い入れの深い、大好きな作品です」という文があったわけであ
る。 .
この瞬間に私の頭に浮かんだのは、私自身の岡嶋作品のベストで
もある、「そして扉が閉ざされた」(「日本ミステリベスト30」
第13位)であった。 .
あの作品の趣向を一言で表すなら、「自分自身が犯人であること
を自分自身が探偵する」ということになるだろう。今回は複製人間
のはずだから、これに更に趣向を増やして「自分自身が被害者であ
る事件を、自分自身が探偵し、自分自身が犯人であることを暴く」
という話ではないかと考えたのだ。 .
しかし、途中での感想もそうなのだが、読み終わっても自分の考
え方は当たっていたのか、はずれているのかさっぱりわからない。
オープニングは確かに主人公の死が語られるところから始まって
いる。最後のシーンにおいては、自分の犯罪を知らされることにも
なる。自分が殺そうとしたことによって、逆に自分が殺されたわけ
だから、ある意味では自分自身が犯人であるとも言えるかも知れな
い。自分自身が探偵するというのは、内部の事件はともかく、外部
の事件には当てはまらないのだが、こじつければ上記の予想もそう
はずれてはいないかもしれないのだが、、、 .
もしこの予想が違っているのなら、もう一つの可能性は「クライ
ンの壷」ではないかと考えている。私自身も「そして…」の次に好
きな岡嶋作品であるのだが、実は詳しいストーリーを覚えていなか
ったりするので、こちらは全く自信ない。しかし、現実と非現実が
交錯し、ゲーム感覚の中に巻き込まれて、存在や生死さえもがあや
ふやになっていく状況は、かなり近いような気はしている。 .
この2作品以外には考えられないと思うのだが、さて真相はどう
なのだろうか?もし、もっと理解しやすい結論に辿り着いた人がい
らっしゃったら、是非私にも教えていただけないでしょうか? .