ホーム創作日記

曾我佳城ネタバレ

泡坂妻夫『奇術探偵曾我佳城全集』のネタバレです。注意!

 
 最終話553頁下段冒頭を読むことで、「ミダス王の奇跡」の意味合いが
がらっと変わることに気付かれたであろうか?            

 この作品に登場している勇之とよし子こそが、イサノと佳城だったのであ
る。最終話で唐突に下俗に堕ちた感じがして、自分としてはひどく違和感を
抱いたのだが、実はこういう形で佳城の心情についての伏線が張ってあった
わけだ。さすが泡坂さんといったところだろう。           

 となると、この作品中に登場する佳城は別人ということになる。では、こ
の作品だけは曾我佳城が探偵役ではないのか、というと勿論そうではない。

 391頁上段で、ベルトのバックルの色の変化を勇之に指摘された直後に
よし子がお茶を貰いに行くシーンがある。バックルの件で真相に気付いた佳
城が、ここで推理の伝達を行ったことは明白だろう。身分を隠すために謎解
きの披露は別人物に譲ったが、やはり真の探偵役は佳城であったわけだ。

 
『奇術探偵曾我佳城全集』感想に戻る... 

幻影の書庫へ戻る... 

  

  

inserted by FC2 system