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『ひまつぶしの殺人』ネタバレ書評

赤川次郎『ひまつぶしの殺人』の完全ネタバレです。注意!

 それでは続いて、ストーリーに関して。              

 これってユーモアミステリじゃなかったの?母は泥棒、長男は殺し屋、次
男は弁護士、三男は警官、長女は詐欺師、とんでもねー話なのに、実は爽や
かな話。すっきり心地よく「えへへ、良かったわぁん(はあと)」な作品。

 、、、じゃなかったのぉ???!!!               

(私の読書中の心の中の変遷)                   

父親、死んだってことになってるけど、こりゃ単に行方不明。     
となりゃあ、これは出て来るにきまってるやん。           
橘源一郎、単純に行けばこいつやな。                
おっ、替え玉うんぬんの話が出てきたか。              
そうか、こいつが父親かと読者には思わせておいて、         
実は替え玉で、最後に意外なところから登場という手やな。      
ほらみろ、美香と出来ちゃった。                  
やっぱり親父じゃなかったな。                   

・・・・                             

そろそろラスト(香代子登場)                   
おいおい、それはないやろう、、、                 
早く意外な真相に行けよう!行けってばぁ!             
え〜〜っ、意外な真相は?真の父親の登場は?            
この際、そっくりに整形してる、なんてのでいいからさあ。      
待て、待て、待て、待て、待てってばぁ!              

・・・・おいおいおい、ラストシーン、               

これじゃ全然爽やかじゃないぞぉ。                 
気分悪ぅ〜〜                           

(心の中の変遷終わる)                      

 ファーストシーンの家族が集まるシーンは、「笑える偽善」「微笑ましい
偽善」だったのが、ラストでは、なんだか「汚い偽善」「裏だらけの偽善」
に思えて、なんだか嫌ぁな気分になってしまった。途中の女殺し屋のエピソ
ードなんかも、感情移入して良いのやら、悪いのやら、あやふやふやぁ〜
なんだか全部、全然収まるところに収まってないやん。        

 切っただけだよ、これ。そんなんありぃ〜〜?           

 赤川次郎を読み込んでいないせいなのだろうか?(これまでに読んだのは
『三毛猫ホームズの推理』(ユニークな密室トリックで好み)『幽霊列車』
『マリオネットの罠』の3作)                   

 私は八方すっきり丸く収まったハッピーエンドを期待してただけに、スト
ーリー的にも凄く裏切り感を感じてしまった。            

 赤川次郎って、こういう作品だったの、、、かな?         
 

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