ホーム創作日記

 

小説
 シナリオ  

僕たちの駆け落ち狂奏曲

友人に「映画の脚本を書かないか?」と言われて、
書いてみたもの。ちょっと、いかにもありがちで、
類型的だったかも。友人に見てもらったところ  
「うんいいね。でも人数減らして!」
、、、って言われてもなぁ… そういうわけで、
いまだにこの企画は実現していない。      

 

******************************

 
  TV画面、映画「野菊の墓」をやっている。       

政夫「民さんは野菊のような人だ」             
聖子「えっ、私が野菊?どうして?」            
政夫「どうしてって…僕がそう決めたんだ」         
 
  君野純平(ジュンペ)の顔のアップ。無表情にポツリと。 
純 「駆け落ちしようか?」 (抑揚無し)         

  木下洋子(ヒロ)の顔のアップ。一瞬間をおいて反応小さく。
洋 「えっ?」 (抑揚無し)               

  ジュンペの横顔のアップ。依然無表情。         
純 「だからさ、駆け落ちしようよ」 (抑揚無し)     

  ヒロの横顔(ジュンペと逆)のアップ。こちらも無表情。 
洋 「どうして?」 (抑揚無し)             

  二人の頭上からのショット。カウチに座っている二人。  
純 「どうしてって…僕がそう決めたんだ」 (抑揚無し)  

  ヒロ、反応せず、長〜〜〜〜い間。           
 

******************************
 

  突然ファミコン・オープニング風のタイトル・テロップ。  

” 僕たちの駆け落ち狂奏曲 ” 
 
  アップ・テンポのテーマ音楽かぶさる。          

  スタッフの一人一人が迷彩服で、自分の役割と名前を書いた紙を
  頭に掲げて、通り過ぎる。「戦場の狼」というファミコンソフト
  風なのだが、もうだれも覚えていない。続いてキャストも同様。
  音楽終わる。                      
 

******************************

 
  「ジリリリリ…」                   

  音楽の終わりに音が重なり,黒電話のアップ。      
  幸田博士(ハカセ)の顔のアップ。受話器を手に持たず、肩に
  かけている。度の厚い眼鏡。目がくるくる動いている。  

博 「もしもし…はい…うん…ふーん…そう」        
  と、ほとんど上の空。                 

博 「えっ、駆け落ちぃ!?」               

  肩から落ちかけた受話器を、右手で受けとめる。     
  奇妙な音楽。ハカセの後ろ姿。半纏を着ている。     
  その向こうにモニター。”ゲーム・オーバー”の文字。  
 

******************************

 
  「ピー、ピー、ピー、ピー、ピー」           

  白いスマートな電話。裸の手が延びて受話器をとる。   
  田中臣人(オミット)の顔のアップ。眠たげにあくびをしなが
  ら。                         

臣 「もひもひ…あ〜ん?」                
臣 「えっ!」                      

   と言う声と同時にカメラ引く。オミットの横に女の横顔。
  二人はベッドの中。オミット、パンツ一枚のままベッドから出
  て、あわててズボンをはき始める。           

女 「どうしたの?」 (眠たそうに)           
臣 「どうしたもこうしたもねぇよ」            
臣 (小声で) 「駆け落ちだとよ」            
臣 「(大声で) おい… (小声で独り言) えっと、名前何だ
  っけ?」                       
女 「レ・イ・コ」                    
臣 「レイコ、出てく時は、鍵ドアマットの下な。(靴はきなが
  ら)おい、聞いてんのか?」              

  女、ベッドから片手を上げて。             
女 「アイアイサー!」                  

  バタン!とドアが閉まる。               
 

******************************

 
  「リーン、リーン」                  

  今時珍しい黒電話のアップ。              

広 「ハイ、八百一です。」                
  太田広子(オコウ)の顔。はちまきをしている。     

広 「オウ、ヒロじゃないか。どうしたい?…へっ?…おいおいお
  い、何の冗談だい、そりゃあ。…まじぃ?まじっつったって、
  また、何で?…… おい、ちょっと待ちな、待ちなって」 

  オコウ、受話器を持ったまま、ボーッとしたように立ってい
  る。片手に大根を握りしめたまま。           
  カメラ、裏に回ると、母親の顔が下から、ズズゥーッと上がっ
  てくる。不思議そうな顔でオコウを見上げたまま。    
  オコウ、ハッと気付いたように、大根を母親に渡して。  

広 「ちょっと出かけてくらぁ」              
母 (心配そうに) 「どうしたの?」           
広 (ズンズンと歩きながら) 「駆け落ちなんだよ」    

  母親、その後ろ姿を見送ってから、ゆっくりと顔を回す。 
  後ろの座敷で父親が正座してお茶を飲んでいるのが見える。
  父親、ズズーゥッとお茶をすすり、フゥーッと息をつく。 

父 (落ち着いて独り言のように) 「広子がねェ‥」    
 

******************************

 
  「ルルルルー、ルルルルー」              

  ピンクの部屋にピンクの電話、長い髪でピンクのネグリジェを
  着た人が電話に向かって歩いていく後ろ姿。薄暗い部屋。 
  電話の横の写真立てにジュンペの写真。上にキス・マーク。

妻 「もしもし」 (ちょっとくぐもったハスキーな声)   

  しばらく無言のまま、と急に。             

妻 「うっそぉーーーーっ!」               

  と叫んで後ろを振り向く。何と黒パック。その上にレモンの
  輪切りが数切れ。声と顔で男だったことがわかる。    
  これが今野妻彦(ツマチャン)。            

******************************

 
  「ピー」                       

  割と美人の女、黒崎法子(ノン)が鏡台の前で化粧をしてい
  る。手をのばして電話のスピーカー・ボタンを押して、また化
  粧を始める。留守電のメッセージが流れる。       

電 「…留守にしています。次の悶え声の後に、用件を入れてくだ
  さい。『あっ、あっ、ああ〜ん』(ビデオからの音声)ピー
  (と発信音)」                    
洋 「はーい、私ヒロでーす。ノン元気ぃー?」       

  ぱっと顔が明るくなり、受話器をとろうとするが。    

洋 「実は今日ジュンペと駆け落ちすることになりました。  
  みんなに見送ってほしいから、5時に”アフロディテ”に来て
  ね。じゃあね。ヒロでしたぁー」            

  泣きそうな顔つき。鏡に口紅で「ヒロのバカ」と書く。  
 

******************************

 
  ジュンペの部屋。ヒロ、受話器を置いて、ひざをついたまま
  ジュンペの方ににじりよる。              

洋 「それでさ」                     
純 「ん?」                       
洋 「駆け落ちってどうやるの?」             
純 「えっ?」                      
洋 (連られたように) 「えっ?」            
 

******************************

 
  オミットの顔のアップ。                

臣 「それで?」                     

  カメラ円を描くように回って、それぞれの顔の      
  アップを写していく。その間に一言ずつ。        

広 「何さ」                       
妻 「あたし嫌よ」                    
法 「許せない」                     
博 「僕は…」                      

  ハカセの顔のアップで止まる。             

博 「アイスミルク」                   

  カメラ引いてハカセの後ろから狙う。円形テーブルに座った
  ハカセ以外の4人が一斉に横を向く。          
  ウェイトレスがハカセの正面に立っている。4人口々に。 

臣 「ホット」                      
広 「レモン・スカッシュ」                
法 「アールグレイ」                   
妻 「水」                        
4人「んっ?」                       
妻 (うつむいて)「だってダイエット中なんですもの。じゃあ…
  ウーロン茶」                     
ウェ「かしこまりました」(去っていく)          

  これからの会話中はアップは使わない。         
  適当なカメラワークとカット割りでつなぐ。       

臣 「とにかく誰もジュンペとヒロができてること知らなかったん
  だよな」                       
法 「知ってるわけないじゃない」             
妻 「そうよ、知ってたら…」               
臣 「知ってたら?」                   

  ツマちゃん、口を開こうとするが。           

広 「あたしゃあの二人はまだ完全にできちゃいないと読んだね」
妻 「ホント?オコウ」                  
法 「どうして?」                    
臣 「できてもねぇのに、駆け落ちなんてことするってぇのか?」
広 「ま、普通はしないね」                
臣 「じゃ、なんでだよ」                 
広 「考えてごらんよ。あの二人のどこに駆け落ちする理由がある
  んだい?」                      
臣 「そりゃあ… (しばらく考えて) ないよな」     
法 「あの二人オムツ時代からの幼なじみだし…」      
妻 「そうよ、あたしが替わりたかったわ」         
臣 「ジュンペに変態がうつっちまうよ」          
妻 「ま、失礼ね」                    
広 「とにかくさ。親たちも二人を結婚させようとしてたらしいじ
  ゃないか。駆け落ちするぐらいなら結婚すりゃいいじゃんか」
妻 「あん、もうじれったい。だから何なの?」       
広 「だからさ。あの二人の駆け落ちってのは、ままごと遊びの延
  長ってわけさ」                    
法 「ままごと遊び?」                  
臣 「そういえば、やけに明るかったよな」         
広 「誰か駆け落ちの理由聞いたかい?」          

  4人、顔を見合わせて、首を横に振る。         

広 「何となくだってさ。そんなおままごとの駆け落ちする連中が
  できてると思うかい?」                

  ウェイトレスがそれぞれの飲物を持ってくる。      
  テーブルに置かれる間、5人は無言。          

臣 「それで?」                     
広 「何さ、オミット」                  
臣 「誰か二人のおままごとに賛成の奴いるかい?」     
妻 「もち反対よぉー」                  
法 「ヒロの処女は守るわ」                
臣 「おっと、やっぱり処女なのか。ここは一発、俺の出番だよ
  な」                         
妻&法 「不潔!」                    
臣 「どっちが不潔なんだよ、おめェら」          
法 「あ〜ら、女同士は美しいわよ」 (うっとりと)    
妻 「男同士は至上の愛よ」 (うっとりと)        
法 「オ・ン・ナ同士」                  
妻 「いいえ、オ・ト・」 (途中でさえぎられる)     
広 「ノンもツマちゃんもやめなよ。あたしはどっちかっつーと賛
  成だよ」                       
妻 「何で、何で、何で?」                
広 「あの二人、トロい同士でお似合いじゃないか。ままごとだろ
  うと、駆け落ちってのはいいきっかけになろうってもんさ。
  一端出来ちまえば、男女は変わる。あの二人なら、良い方向に
  変わるかも知れねェな」                
妻 「ダメよー。阻止あるのみ」              
法 「断固、阻止」                    
臣 「やるときゃ俺が…」                 
広 「あーあ、変態や色ガキの餌食になるよか、よっぽどましだと
  思うがね」                      

  ハカセ、突然眼鏡を取って、テーブルの上に置く。    
  胸ポケットからワンドロップ・レンズクリーナーを取り出し、
  眼鏡を掃除して、ゆっくり顔に戻す。          

臣 「おい、ハカセが何か思いついたぜ」          

  ハカセ両手をテーブルの上に乗せ、頭をぐっと前に突き出す。
  オコウ以外の3人、パッと同じ動作。          

広 「あんたら、相変わらずガキだねー」          

  そう言いながらも、彼女も同じく。           
 

  真上からのショット。円形テーブルの真ん中に顔を寄せて、
  ひそひそ話している5人。               
  「内緒、内緒、内緒の話はあのねのねー」の音楽かぶさる。
 

******************************
 

  ディスプレイ画面。「コマンドを入力してください」   
  カチャカチャとキーボードを叩く音。          
  「カ・ケ・オ・チ・ス・ル」              
  再び「コマンドを入力してください」          

  部屋の中は暗い。ディスプレイの灯にハカセの顔が浮かび上が
  る。ニターッと笑って、受話器を取り上げる。      
 

******************************

  新宿の人混み。ネオンの時計が9:04を示している。  
  人の流れ。音楽入り込む。               

  「僕達の80’s」(私の友人が作詞作曲した名曲)    
  ♪「ねェ、僕達どこまで行くんだろう…」        

  カメラが上に動くとサ店の窓。ジュンペとヒロが座っている。
  ジュンペ立ち上がって、電話をかけにいく。       

  新宿の人混み。人の流れ。音楽続く。          

  新宿駅の壁によりかかっている二人。画面の右下に浮浪者が寝
  ている。ジュンペは右手にバッグを提げ、ヒロは両手でバッグ
  を持ち、体の前に提げている。             

  音楽が小さくなるにつれカメラが引くと、画面の回りに丸い黒
  の枠。更にだんだんと引く。              
 

******************************
 

  音楽終わると、新宿駅の柱の陰。オミットが望遠鏡を目に当て
  ている。4人、その周りに寄りそっている。       

法 「第一段階はハカセの読み通りね」           
臣 「そろって方向音痴、世間知らずのあいつらが二人だけで旅行
  できるはずねェもんな」                
妻 「旅行じゃないわ。駆け落ちよ」            
広 「見送りに来いってのも、どうせあたしらに計画立てさせるつ
  もりだったんだよ」                  
臣 「それで?」(ハカセの方を向く)           
博 「さて、次はどう動くか?」              
 

******************************
 

  再び新宿駅の壁。二人のアップ。            

純 「誰も来なかったね」                 
洋 「うん」 (コクンとうなずく)            
純 「駆け落ちって難しいね」               
洋 「うん」                       
純 「お菓子食べようか」                 
洋 「うん」                       

  ヒロ、バッグからお菓子を取り出し、二人食べ始める。  

純 「帰ろうか?」                    

  ヒロ、思い出し笑い風にちょっと寂しげにクスッと笑って、
  否定じゃなく首を振る。髪が後ろになびく。       

洋 「またオコウに笑われちゃうな。あんたらやっぱりガキだねっ
  て」                         
 

  ジュンペ、ヒロの手を握る。              

純 「行こう!」                     
洋 (驚いて) 「どこへ?」               

  ジュンペ、ヒロの手を引いて駆け始めながら。      

純 「風に聞きなよ」                   
 
  二人の駆けていく後ろ姿に「ブラ・ダン」重なる。  
  ♪「ボギー、ボギー、あんたの時代は良かったぁー  
  男がピカピカのキザでいられたぁー」        
  (カサブランカダンディー 歌:沢田研二)     
 

******************************

 
  再び柱の陰。                     

臣 「おいおい、あいつら…」               
妻 「ハカセ、話が違うじゃない」             
法 「追いかけましょう」                 

  4人駆け出そうとするが、ハカセ、チッチッと指を振って引き
  留める。ハカセ、両手の掌をこちらに向けて突き出し、また裏
  にして交差させる。両手からゆっくりと5枚の切符が現れる。

臣 「これも読んでたんだ?」               

  ハカセ、指を立てて、頭を指す。            

妻 「さすがよー、ハカセ」                

  ツマちゃん、ハカセの首に巻き付いてホッペにキスをしようと
  する。ハカセ、横を向きギョッと顔を見合わせる。    
  眼鏡がズルッとずり下がる。              
 

*******************************
 

  東海道線沿いの田舎の駅。5人が街灯の下を歩いている。  

臣 「なる程ね。俺らが中坊んとき旅行来た街か」       
法 「確かにあの二人でも来れそうなとこってここしかないよね」
臣 「ジュンペがまた列車乗り間違えなきゃな」        
法 「そうそう、みんなのお弁当買いに行って、ジュンペったら、違
  う列車に乗っちゃったのよね」              
妻 「可愛いわぁー」                    
法 「あんたねェー」                    
臣 「しかしよぉー、今頃の時間行って、旅館泊まれるのかよ」 
広 「忘れたのかい。あそこはハカセの親戚がやってんだよ。  
  ハカセがとっくに手を回してるさ。だろ?」        
博 「ご名答」                       
 
  向こうに旅館が見えてくる。               

妻 「わくわくしてきたわー。今夜は徹底的に二人の邪魔しちゃうん
  だからー」                       

  ツマちゃんの顔のアップ。嬉しそうな顔。         
 

*******************************

 
  ツマちゃんの顔のアップ。不服そうな顔。         

妻 「どうしてあの二人がいないわけー」           

  カメラが引くと、旅館の一室に5人が丸く座っている。   
  真ん中にビールの缶やつまみがずらっと並んでいる。    
  ツマちゃんが目を上げると時計。11時半。        

法 「やっぱり…」                     
臣 「乗り間違ったんだろうな」               
広 「路に迷っているかもね」                
博 「僕達が着くちょっと前に、予約の電話入れてきたのは確かなん
  だけどね」                       
臣 「ハカセの読みもたまにははずれるか」          
博 「そうかもね」 (ちょっと意味ありげに)        
妻 「あん、もう飲みましょう」               

  ツマちゃん、缶をあけて一気に飲み干す。         
  みんなもつられて缶を開ける。              
 

*******************************

 
  時計。1時。みんな酔いが回ってきて、せりふのろれつが回らな
  い。                          

妻 「らいたいねー。ろうして女がいいわけー」        

  と、ノンにからむ。                   

法 「あらぁー、(ヒック)うちゅくしいのは、やっぱり女よー」
妻 「あんた、男の美しさを知らないのー」          
法 「あんたこしょ、女の美を理解しなしゃいよー」      

  オミット、ほとんど寝ているが、がばっと起きあがって。  

臣 「おめェら、普通の恋愛を語れよー」           

  また、がばっと寝る。                  
  
  オコウとハカセ、壁に背をつけて隣り合って、       
  微笑みながら3人を見ている。片手には缶ビール。     

  時計。1時半。カメラ下がると、3人は既に寝込んでいる。 
  しばらく沈黙。時計の音だけが聞こえる。         
  オコウ、立ち上がって3人に毛布をかけてやり、またハカセの隣
  に戻る。ハカセ、缶ビール飲み干し、片手でつぶす。    
 

広 「ハカセ」                       
博 「ん?」                        
広 「あの二人が来れなくなることも、計算に入ってたのかい」 
博 「さあね」                       
広 「白状しなよ。何を企んでる?」             
 
  ハカセ、しばらく黙っている。              
 
博 「実は」                        
広 「ん?」                        
博 「隣にもう一部屋取ってある」              
広 「ふふ、気に入ったよ」                 
 
  二人立ち上がる。音楽「Oh!クラウディア」重なる。   
  ♪恋をしていたのは〜去年の夏のことさ〜         
  (サザンオールスターズ最高の名曲)           

  スローモーション。二人ドアを出る。ゆっくりとドアが閉まる。
 
  ツマちゃん、寝返り。ノンに抱きつく格好。        

  音楽小さくなる。                    
 

*******************************

 
  夜中の旅館の前景。車がキィーッと止まる。        
  ジュンペとヒロが降りてくる。              

洋 「ありがとうございましたぁー」             

  車が発車して、二人ピョコンと頭を下げる。        
  手をつないで、二人が旅館の中に入っていく。       

  ヒロ、コトンと頭をジュンペの肩にあずける。       
 

*******************************
 

  のどかな茶の間の風景。卓袱台をはさんでオコウの父と母。 
  前に湯気のたったお茶。母、時計を見上げて。       

母 「やっぱり、駆け落ちですかねェ」 (のんびりと)    

父、ズズーゥッとお茶をすすり、フゥーッと息をついて。    

父 (落ち着いて独り言のように) 「広子がねェ…」     
 

*******************************
 

エンディング・テーマ。

 
  ツマちゃん役の女装シーンなどの撮影風景が次々に流れる。 

  最後、フェリーニみたいに全員で手をつないで踊るシーンで 
  映画は終わる。                     

*********** THE END ***********

 tsukida@jcom.home.ne.jp
    よろしければ、ご感想をお送り下さい。 

 創作の部屋へ戻る... ホームページへ戻る...

     

     

inserted by FC2 system