ホーム創作日記

 

9/3 耳をふさいで夜を走る 石持浅海 徳間書店

 
 石持浅海独特の歪んだ倫理観を、直接殺人行為に注入して描き出した、歪
(いびつ)極まりないスリラー。サイコと呼ぶほどには異常性を押し出さな
い筆致が、余計に嫌ミスの腐臭を漂わせている。           

 しかもそれ以外に何もない。何らかのミステリ的なものを常に氏には求め
ているのに、本書では何一つ得られるものはなかった。ダークなものにとき
めく人ならばともかく、私にとってはただのクズミス。        

 本書を読めば顕著に感じられるが、”小集団の中で歪んだ倫理が形成され
る”、これが氏の創作の原点の重要な一つなのだろう。そして、そう考える
と、氏の舞台が特殊な閉鎖状況であったり、テロをその主題として扱うこと
が多いのも、あっさりと納得出来てしまうではないか。        

 その倫理が(決して読者にではなく)登場人物達に受け入れられるために
は、そこだけを閉じた世界にするのが手っ取り早い。その矛盾や歪みや嫌ら
しさが、その世界の外にはみ出していかないから。          

 但し、先程括弧でくくったように、必ず小説にはメタレベルに”読者”が
存在している。世界の雰囲気は共有するが、その世界に存在するわけではな
い読者には、直接的にその倫理は影響を及ぼさない。だからこそ、その倫理
の違和感は、常に作者の弱点として批判の対象とされている。     

 そしてまた歪みが個人レベルであったり(「扉は閉ざされたまま」「君の
望む死に方」
等)、仲間内で共有される程度の論理であれば(「水の迷宮」
「セリヌンティウスの舟」等)、おそらくそれだけで済む。しかし、これが
社会に向けて広げられてしまうと、テロリズムにつながってしまうのはある
意味必然と言ってもいいのだろう。                 

 本書はその歪みの論理的実験の一つなのかもしれない。しかし、机上の思
考実験としか思えないソレを、例えフィクションであったとしても小説の形
態に転写されてしまうと、やはりただの”違和感”で片付けられる代物では
なくなってしまう。しかも本書はソレ”だけ”の話なのだからね。   

 否定的な意味合いを強くして、私の採点としては5点としておきたい。

  

9/5 トスカの接吻 深水黎一郎 講談社ノベルス

 
 突出はしてないけれど卒のないミステリを書く、デビュー作とは違ってこ
ちらが氏の本来の持ち味なのだろう。まぁ、デビュー作も傍流の方にその要
素が感じられたから、二作目以降も読みたい気分にさせてくれたのだけど。

 隠す演出は巧みなのだから、「おお、なるほど」とか「ああ、あれが」と
膝を打たせてくれるようになれば、もっと喜べるんだけどな。     

 前作では決定的な手掛かりが相当に終盤の方で明らかにされることによっ
て、読者から真相を覆い隠す役目を果たしていた。かなり計算された絶妙の
タイミングであったから、そのこと自体に不満はない。そこまでは読者に完
全な真相を与えない、いわば縛りだと解釈することさえ可能だろう。  

 今回は真犯人に辿り着く手掛かりがあまりにも少なすぎる(と私には思え
たのだけど、見落としているのならゴメンナサイ)。色々と匂わせてあるか
ら、そこから想像を広げれば辿り着けなくはないだろうという程度。  

 しかし、意外な真相ではあるわけだから、もっと明確に手掛かりが与えら
れていたとしても、そうそう簡単には見破られまいと思うのだが。前回は時
間的に敢えて縛りをかけてきたが、今回は質・量的に縛りになってしまった
というイメージで、積極的な意図が感じられず不満を残す。      

 氏自身が読み巧者なせいで、ここまで書いてしまうと読者に悟られてしま
うのでは、と用心しているのかもしれないね。でも、も少しガードを緩めて
貰わないと、「ああ〜〜」と語尾二つ伸ばすくらいの感慨は持てないよ。

 せっかく端正にまとまったミステリを提供してくれてるのだから、言外で
はなく、はっきりと文面に手掛かりを置いて欲しいな。伏線は伏せることに
意味があるわけじゃないものね。というわけで、採点は
6点。     

  

9/6 血溜之間殺人事件・不動高校学園祭殺人事件
9/7 黒魔術殺人事件 天城征丸・さとうふみや 講談社

 
 今回はいずれもコンパクトにまとまっていて良かったかも。全体にごたご
たと盛り込まなくちゃ成立しない大作より、「犯人」だとか「トリック」だ
とかにポイントを絞れる、このくらいの長さが適当なのかもよ。    

 まずは二作収録の方から。これはどちらもトリックが「うはぁ!」だった
なぁ。「血溜之間」は「Q.E.D.シリーズ」でやりそな、目から鱗なパ
ズル型トリック。一方「不動高校」は「うわぁ!」でウハウハな大バカトリ
ック。たまりませんわな。                     

 どちらも”現実にやると”なんて考えちゃうとバカバカしくて笑うしかな
いんだけど、小説媒体とは違う(まぁ小説でもとんでもなくバカなこと書い
ちゃう人もいるけどね)漫画だからこそ許される楽しみだと思う。ってわけ
で、当然アリだと思うわけですよ、はい。採点はさすがに
6点だけど。 

 ってことで、続いては「黒魔術殺人事件」。いったいどこに意外性を用意
してるんだろっ?……だなんて油断させられてしまったよ。そうか、そうだ
よな、その手はあるよな。きゃはは、ひっかかっちゃった(ひょっとして少
数派なんだろうな)、愉快愉快。                  

 トリックはミステリじゃないんだけどさ。本格ミステリは究極、パズルで
も構わないというのが持論の私だけど、そのパズルとこのパズルとはちょっ
と違うってばよ。けれど、ロジックは納得で、騙された身としては良い作品
だったかな。こちらも
6点。ベストはバカ度の高さで「不動高校」。  

  

9/8 虚夢 薬丸岳 講談社

 
 エンタテインメントとしての迎合を良しとしない、読者に挑んでくるハー
ド野郎ってイメージだったのにな。「嫌ミス上等!」という覚悟で読んだの
に、なんだ、いい話やん。日和ったか、薬丸岳?!          

 とまあ、こんな風に「エンタテインメントとしてはこうなるよな」という
予想がそのまんまだったりしたために、自分としては大いに肩透かし。氏の
小説でカタルシスを感じさせちゃいかんだろって、一筋縄ではいかない構図
の暴れん坊っぷりを堪能してきた私としちゃあ、どうしてもそう思わずには
いられないのだけど。                       

 傍流にちょっとだけ嫌ミスっぽく、読者を裏切ろうとはしてくれるけど、
伏線はサービスされてるから、特に驚かせてくれるわけでもない。   

 一方、本流の伏線はそんなにはなさそうだったから、読者がそのことに着
想するかどうかってところで二分されるのかもしれないね。とはいえ「これ
はやはりこうだな」と確信する瞬間は何度かあったようにも思う。   

 しかもこれって、たかだか一筋の縄にしか過ぎないから、その着想に至る
のは全然難しいことじゃない。現実ならともかく、ミステリとしては割と当
たり前の着想に感じられてしまう。これなら誰もが到達できる地点。  

 過去二作の、ここまでの構図は到底及びも付かん、という感想にはなりよ
うがないんだよね。しかもいくら甘チャンの私でさえ、薬丸岳に”爽やかな
結末”など、さっぱり望んではいなかったのに。           

 普通の社会派ミステリを読みたければ満たしてはくれるだろうけど、氏へ
の期待感とは違った方向に転んでしまったようだ。採点は
6点。    

  

9/10 クラシック・ミステリのススメ(上巻)
       ヴィンテージ・ミステリ・クラブ エディション・プヒプヒ

 範囲としては限定されてはいるものの、これだけ網羅されたガイドブック
は珍しい。叢書全作のレビューという徹底したコンセプトが嬉しいではない
か。出版社とのしがらみもないだけに(多分)、結構正直なレビューが多い
のも、商業誌にはない良さが溢れている。変にはじけすぎて品位を落とすレ
ビュアーもいなくて、一定水準が保たれているのも好印象。      

 古典ミステリ初心者はまずはこれを読む前に、一般のガイドブックなりを
活用してまずは基本路線を抑えて欲しいが、その段階を過ぎてお次はって人
から、一通り読んできたけど全部読むには時間がね、って人にとっては、幅
広く使える良質のガイドブックだろう。               

 上巻は全冊購入済みの(若干未読は残っているけれど)世界探偵小説全集
がメインだったため、書評の質を見極めるというような要素が強かったが、
これで信頼に値するものだという確信は得られた。          

 下巻は読んでないあたりが大半を占めそうだから、有効活用させていただ
こう。これだけの質・量・コンセプトを評価して、採点は
8点だ!   

 ちなみに詳細は公式ブログを参照ください。といってもここには、まとも
な内容紹介はないので、bk1の販売ページの方が参考になるかも。  

  

9/12 カラスの親指 道尾秀介 講談社

 
 うわぁ〜、凄いなぁ。やっぱり凄いよ、道尾秀介。コン・ゲームはやっぱ
りこうじゃなくっちゃね。本格偏愛派としては、複層の仕掛けである「ラッ
トマン」
の方を高く買うが、こんな作品が続けて出てくるとは、脱帽! 

 読み終わってから、ページをめくっていろんなところを読み返してしまっ
た。愛おしい話だよね。これから先も何度も読み返したくなるような気分に
させてくれた本だった(気分だけで実際はしないけどね)。      

 この先ここまではないかもしんないぞと思えるくらいの白道尾なので、道
尾初心者や薄目のミステリ者に勧めるには最適な本かもしれないな。  

「おおっ!」と思わせてくれるだけでなく、それがホンワカだとかシンミリ
なんだとかに自然にスライドしちゃうんだからなぁ。その相乗効果にすっか
りやられちゃいました。もうやっぱりこれにも
8点付けちゃうってば! 

 ただ一つだけ、不満というか、疑問がある。これは自分が甘チャンだから
こそ感じるだけなのかもしれないけれど、自分としてはこうあって欲しい、
こうであってもいいんじゃないかと思いたい。ネタバレなので伏せ字で。

 ○○の最後のシーンに、まひろとやひろがいてもいいんじゃないのかな?
というか、いて欲しい。たとえ真実を知らないままでも、たとえ○○自身の
出した結論とは矛盾していようともね。
               

         だって、まだ間に合うんだろ?          

  

9/16 看守眼 横山秀夫 ジョイノベルス

 
 今回は警察小説という枠内に収まらない、様々な職業の人物を主人公に据
えている。組織小説というほどに個々の世界のしがらみを深く描いてもいな
いのに、こういう場合に陥りがちだった弱さはさほど感じられなかった。

 とにかくミステリとしての構図の描き方がやはり上手いんだよなぁ。本当
に横山秀夫の短編集にはハズレ無し。アベレージ高すぎ!       

 横山秀夫って結構誤解されてるんじゃないかな。本作もそうだけど、題名
はいつもそっけないくらいの地味さ。警察小説ってだけで、ただでさえ地味
な作品だとしか思えない人も多いだろうに、それでこれだからな。   

 作風だってそう。一見した印象だと、ドロドロとした現実の嫌らしいとこ
ばっかり描いてて、全般的に野暮ったいイメージだってあるかもしれない。
映画「半落ち」のイメージで、人情物系だと思ってる人もいるかも。  

 だけど実は、もの凄くアクロバティックなんだよね。地に足付けたまんま
なのに、凄いアクロバットを演じてみせる。そこが凄いんだって。   

 連城三紀彦の逆転という手法で見せてくれる構図のひっくり返しは、天下
一品で他に比較しようがないとは思うけれど、その同じ土俵に上り得る唯一
の人物が横山秀夫ではないかとすら思えるくらい。          

 本書でも表題作や「自伝」などで明らかにされる真相の構図に、驚愕を覚
えない読者がいるだろうか。「口癖」もその構図の逆転の嫌っぽさが、いか
にも横山秀夫的な秀作。この三編がベスト3だな。          

 この「嫌っぽさ」ってのも氏の大きな特徴なのかもね。だからこそ逆転の
意外性が、本格としての謎解きのカタルシスにつながっていかないのかも。
でもやはり本格ファンこそ、横山秀夫を読むべきでは。採点は
7点。  

  

9/18 壁抜け男の謎 有栖川有栖  角川書店

 
 有栖のしょーもない小品の寄せ集め。有栖なら何でも〜、というファン以
外には不要な作品集。こういう短編で地道に稼いで貰って構わないんで、精
力は是非学生シリーズ完結編に注いで下さいな。           

 というわけなので、特に感想は無し。しょーもないもんはしょーもないん
で、読む方は是非自分だけの楽しみをなんとか見つけてくださいな。  

 私も私なりに無理矢理楽しみを見つけようとしたベスト3。順不同。 

 まずは「猛虎館の殺人」。びっくりさせることの正体から、面をかぶって
後ろ向きに歩く男の謎に繋がって、最後は駄洒落でチャンチャンと締め。一
つの種から、はい一丁上がり、な安直作品が多い有栖にしては、珍しくあれ
やこれやと盛り込んでくれた作品だと思う。愛なのか、愛?      

 続いては「キンダイチ先生の推理」。耕助石への疑問と自分なりの回答か
ら、こういうミステリへと繋いでいく、有栖流の創作テクニックが良く見て
取れる短編だと思う。どや、種はこないな風に膨らますんやぞ。    

 最後は「ジージーとの日々」。仕掛けがミステリ的にはあまり意味はない
のに、作品的には意味を持つという、アンチな使い途がちょっとユニーク。
作者のセンチメンタルな面も見られて、ファンにはオトクかもよ。   

 番外編として、ロリ属性の私としては「恋人」にも一票(何の票だ?)。

 敢えて批判的に5点付ける理由もないんで、採点は消極的な6点。  

  

9/20 綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー
              綾辻行人有栖川有栖編 講談社

 作品(しかも半数以上は既読)をネタにだらだらとしゃべられてもしょう
がないわけで、いかに刺激的なミステリ談義になるかが勝負。という期待を
満たすには弱い対談だと思ったな。                 

 綾辻が当初想像していたように、せっかくこの二人が揃って対談をやるわ
けだから、「本格ミステリを捉え直す」というような内容を、個人的には期
待していたのだけども。                      

 ところどころに、そういう芽は見られるのだ。だけど、話としてはなかな
か花開くところまでいかず、結局のところ実を結んではいない話ばかり。

 なにせ『「本格」を巡ってはいまだによくわからないことだらけ』だった
り、『でも、まだよくわからん(笑)』だったり、挙げ句には『自分が推理
小説を好きかどうかってのを疑うときがある』だもんな。       

 あんたらがそうだったら、読者はどうなっちゃうんだよ、の世界。本格に
おいては第一人者の二人なんだから、逃げずに本格観をぶつけてくるぐらい
の緊張感が欲しかったってば。ミステリとマジックを巡る話のところでは、
ひょっとしてと期待させられたんだけど、やっぱり芽止まり。     

 作品としても、初心者向けの基本作品がベースなので、年季の入ったミス
テリ者には物足らないはず。二人のミーハーファン向けの緩さなのか? 

 初読の中で個人的に気に入ったのは井上雅彦「残されていた文字」だな。
南條範夫「黒い九月の手」のとんでもパワーも凄い。ミステリはパズルでも
いい、が持論の私だけど、パズルはミステリではない、からな。法月「し
らみつぶしの時計」
はロジックの発想の飛びにミステリ性が感じられるのに
対し、これは手順を追うだけでミステリらしい驚きは感じられない。  

 作品のオトク度、対談のオトク度、いずれも高くない。採点は6点。 

  

9/22 遠海事件 詠坂雄二 光文社

 
「佐藤誠はなぜ首を切断したのか?」という中心の謎を堂々と提示しておき
ながら、読者の予想(少なくとも私は)をこの真相へ至らせないのは素晴ら
しい。多分この作品を分析すれば、この理由となる幾つかのテクニックを発
見することが出来るだろう(と言ってはみるが、わたしゃやらないよ)。

 また、ある意味でのファイナル・ストロークを、こういう形式で魅せるセ
ンスが憎らしい。わずかにメタレベルに一歩踏み出したような、このさりげ
なさが格好いいじゃないか。畜生、やりやがったな(褒め言葉)!   

 好みで言えば、正直この作者の作品を好きになりそうな気はしない。前作
もそうだったけど、語り口調が肌に合わないんだよね。本作でも探偵役に現
代風のしゃべりをさせるとこなど、たとえ計算尽くであったとしても不快感
を感じてしまうのだ(基本的に古い人間なんだよね)。        

 二作共にホワイに関しての筋の良さを見せつけてくれたけれど、本格の志
向性が自分とは違う方角を向いてる感触はやはりある。        

 それでも独特のセンスを発揮してくれる人材かもしれない。語り口の構成
に意味を持たす、この方向性でもう少し作品が続けば、それなりの立ち位置
が確保できるのかもしれない。                   

 先程述べた演出のケレン味の扱い方だとか、二人の探偵の扱い方だとか、
シニカルなセンスもマニアックな評価を受けそうな雰囲気。      

 人とは違う何かを求める読者を惹き付ける人かも。う〜ん、ちょっとどう
しようかな、とは思ったけど、やっぱり採点は
7点付けちゃおっかな。 

  

9/26 ウォリス家の殺人 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫

 
 巧みなフーダニットではあるのだが、ロジック展開は意外に地味。伏線満
載な描写が多く感じられた割には、そして犯人の意外性の割には、アクロバ
ティックな悦びは少なめに感じてしまったのだよなぁ。        

”ケレン味”が”地味”によって塗りつぶされる辺りが、ディヴァインが今
一つメジャーにはなりきれなかった(我が国でも、恐らく本国でも)要因の
一つではないだろうかと、邪推してみる。              

 それにまたリーダビリティの淡泊さってのも、ディヴァインの特徴ではな
いかと思う。最初の要素と重なる点は多いけれど、これまたメジャーになり
きれなかった要因の一つなのではないかいな。            

 本作なんて、なんとカーチェイスまであったりするんだけどね。だけど、
そのことが決して作品の華にはならない、やっぱりな淡泊さ。     

 また本作でのストーリーとしてのキモは、この家族のドロドロ感だよね。
読んでて嫌な気分にはなるんだけど、厭ミスってほど突き抜けてはいない。
リーダビリティを上げてんのか下げてんのかわからない淡泊さ。    

 だけどミステリとしては濃厚ってのが、唯一の(と言っては失礼だったら
最大の)取り柄。ど真ん中の本格なようでいて、ちょっぴりのくせ球。 

 本作でも結構決まっているフーダニットのミスリーディングなど、実直そ
うに見えて読者の裏をかいてくるからたまらない。とはいえ今回は伏線やら
ロジックやらもちょっと淡泊で、ミステリとしてはちと薄味。     

 ちゃんとした本格が読めるのは嬉しいけれど、採点は7点止まりだな。

  

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