ホーム創作日記

 

6/2 エソルド座の怪人 若島正編 早川書房

 
 異色作家短篇集の世界篇。今度は一転、ぶっとんだ作品ばかりが集まった
印象。作品そのものがそもそも難解だったり、どこがいいのか解釈すること
が難解だったり、色んな意味で難解な作品が多かったように思う。   

「トロイの馬」を代表格として、ナンセンスな作品が多く集まっている。そ
して、ナンセンスほど実はセンスが必要なものもなかったりするのだ。この
作品自体はわかりやすい馬鹿馬鹿しさで、多く受け入れられるだろうとは思
うが、全体通じて愉しめるのはよっぽどセンスのある人だろうと思う。 

 これで氏の編んだアンソロジーを四冊読んだことになるが、やはりどうも
全般的に上級者向けのセレクションだと感じられてしまうのだ。氏ほどの素
養があれば、もっと楽しみを見出すことが出来るのだろうが。     

 この三冊通じて言い続けてきたことだが、そもそも選者と自分とでは、ア
ンソロジーという言葉の捉え方が違ってるのだろうな。「傑作選」という意
味合いで期待する私の解釈と、氏の解釈は喰い違っているのだろう。  

 今回も記憶に定着するような傑作・名作・佳作の類は一作もなかった。恒
例のベスト3も題名のみで、「トリニティ・カレッジに逃げた猫」「トロイ
の馬」「金歯」の三作とする。採点は例によって
6点。        

  

6/5 ムーンライト・ラブコール 梶尾真治 光文社文庫

 
 初出があるのかと期待したら、既存の短編集に収録されたものばかり。い
くら元本が入手困難になってるとはいえ、意義は薄いかなと思いつつ読んで
みると、これが意外に絶妙のセレクション。傑作選に選ばれることは少ない
だろうけど、これもいい話なんだよ、という秘孔を見事に突いている。誰が
選んだか知らないが、相当なカジシンのファンに違いない。      

 いずれもハート・ウォーミングな話ばかりで、そのほとんどがハッピー・
エンドなんだから、読後感の良さも保証されている。全部の初出短編集持っ
てるよ、なんていうコアなファンならばともかく、普通にカジシン好きだよ
って人ならば、読んで損はない作品集だろうと思う。         

 恒例のベスト3は、「ヴェールマンの末裔たち」「ファース・オブ・フロ
ーズン・ピクルス」「一九六七空間」 いずれもほのぼのとしんみりが上手
い具合にブレンドされた、ウィットでウェットな名品揃い。      

 個人的に残念だったのは、作品集そのものの内容ではなく、解説氏のカジ
シンおすすめベスト10だった。ちょっと露骨に商業主義じゃなぁい? 

 出版レーベルのしがらみだけでなく、市場的にも最近の作品が売れてくれ
なきゃ困るよとか、しょうがないところはあるのだろうけどなぁ。しかし、
このところのあまり品質の高くない(と思っているのは少数派ですか?)、
作品ばかりが挙がっているのは頂けない。              

 誰だ、この解説?って思ったら、なんと「ある日どこかで」の訳者の方だ
ったのか。だったらきっとカジシンのリリカル短編が大好きなお方のはず。
そういう作品をもっと選んで欲しかったよ。             

 初出はなくとも、このセレクションはセンス良いよぉ〜。採点は7点

  

6/7 本格ミステリ07 本格ミステリ作家クラブ編
                          講談社ノベルス

 全体的に小粒な作品ばかりが集まってしまったが、昨年度のように編集方
針自体に異を唱えたくなる内容ではなかったのが、せめてもの救い。  

 それでも一点だけ言わせて貰うならば、「本格」としての指針を示すアン
ソロジーで、田中啓文「忠臣蔵の密室」はないと思うんだけどなぁ。これ取
るくらいなら、同じ「密室と奇蹟」の中からでも、選ぶにふさわしい作品は
もっと他にあったように思うのだけど。選者とのセンスの違いで詮無きこと
かもしれないけれど、こればっかりは異議を一票。          

 さて、ズバ抜けた作品が一編もないのは残念だったが、安定感のある作品
ばかりで、読み心地は悪くなかった。編纂自体から独りよがりで迷走してい
た昨年度版を底にして、V字回復を目指して欲しいところだ。     

 というわけで恒例のベスト3。積極的に選びたいというほどの作品は無か
ったのだけど、やはりベストはその心意気を買って、米澤穂信「心あたりの
ある者は」としたい。古い器に新しい酒を汲むという、氏の一つの方法論が
堅実な実を結んだ作品。しかし、こういった九マイル型作品は、どうしても
ロジックの飛びが感じられてしまうのは、いたしかたないところか。  

 残り二作は、天性のトリックメーカーが細かく積み上げた、柄刀一「紳士
ならざる者の心理学」と、倒叙物に本格のエッセンスを組み込むことに成功
したシリーズとして、大倉崇裕「福家警部補の災難」を選択。     

 この本格の年間傑作選が、確実に7点を付けられる、安心して読めるもの
でなくては困る。今年はまだまだ
6点だが、路線は正常に戻って、回復基調
がうっすらと見えてきたようには思う。来年以降に期待だ。      

  

6/11 トリックスターズC Part1 久住四季 電撃文庫
6/13 トリックスターズC Part2 久住四季 電撃文庫

 
 最終作だというのに、なんだかセコっちい事件だったなぁ。読者として気
負った気持ちが、ちょっとスカされてしまったようで、少なからず残念。

 ミステリとしては、このシリーズ通して、表面的な解決で決着を付けてお
きながら、真の解決を裏に持って来るという姿勢を貫いたのは素晴らしい。
こういう多層解決の処理の仕方には、非常に巧いセンスを見せてくれる。

 とはいえ、今回はプロットというか設定に首肯できない部分が多かった。
真犯人の動機や行動がキャラクタ設定とマッチしていない感を受けたし、そ
もそもこれが結果を産み出すことが正しく予想できただろうか?    

 主人公である周の展開も、これまでのシリーズを重ねた上では、逆に納得
感が薄かったようにも思う。これは私個人の感受性の問題かもしれないが。

 今回は、事件が動くというよりも、キャラが動く作品だっただけに、全て
をすっきりと収めた上で、いつか始まる続編に繋げて欲しかったな。  

 だいたいが、今回の小説的構造は、一人称的三人称で視点人物があちこち
と切り替わる、という方式を取っているではないか。それぞれの心境をすん
なり決着付けるには、最適な方式を(おそらくは意図的に)選んでいるんだ
からね、期待に応えて欲しかったよ。これじゃ、キャラ読みしない人間にと
っては、単に鬱陶しかっただけじゃないか。             

 たとえば最終作でありながら、敢えて登場してきた新しいグループの扱い
もそう。準主役でもあった高校生トリオに、青春小説としての結末は綺麗に
付けて欲しかったよ。なんだか消化不良で「むきぃ〜」って感じだわ。 

 ひょっとしたら、そういうこもごもが次シリーズへの布石なのかもしれな
いけど、そんな勿体づけるほどのもんかぁ、おらぁ、とちょっと凄んでみて
もよろしいか? いやいや、ちゃんと期待してますってば。      

 しかし、上記したようなもろもろのせいで、本作の評価は「トリックスタ
ーズM」
に続く、ワースト2位。採点は当然
6点どまり。       

  

6/15 バカミスじゃない!? 小山正編 宝島社

 
 なんだかわかっちゃったかもしれない。小山正のバカミス観と自分のバカ
ミス観との喰い違いのわけが。                   

 本書冒頭で氏のバカミス基準が示されているが、その基準を氏がいかに細
かく挙げてみせようが、私にとってのそれらは決して基準なんかではないの
だ。土台だったり、土壌だったり、素材だったりするものに過ぎない。そこ
から生まれようが、それだけではバカミスにはなり得ないのだもの。  

 わかっちゃったのはそこなんだ。私にとってのバカミスの最大の基準は、
ただ一つ、「発想の飛び」にあるんだと。この基準の違いが、バカミス観の
違いに直結してたんだろうなと。                  

 どんなおバカだろうが、ナンセンスだろうが、そんなんじゃ、いや、それ
だけじゃ、決してバカミスにはならない。「バカなミステリ」は決して「バ
カミス」とイコールではないのだ。それが私のバカミス観。      

 やっぱりそのどこかに、「凄ぇ〜」という”飛び”がなくっちゃ。  

 勿論、この飛び幅は規定できるはずもないから、私にとってのバカミスは
小山氏にとってのバカミスよりも、人によって振れ幅が大きいものに違いな
い。ただし、もっと狭いものだってことはおそらく間違いない。そして、そ
れだけの飛び幅をクリアした作品だからこそ、私はバカミスを愛するんだ。

 だから残念ながら、そんな私の基準に照らし合わせれば、本書に収められ
た作品のほとんどは、私にとっては「バカミスじゃない」。「!」もなけれ
ば「?」もない。そのまま単純にバカミスじゃない、それでストップだ。

 本書で最もバカミスの香り付けに成功しているのは、鳥飼否宇「失敗作」
だろう。本書のための書き下ろしとしか思えないこの作が、既に用意されて
いたというのも凄い話だ。さすが現役バカミス専門作家(私にとっては正統
な本格作家なのだが)。これに霞流一「BAKABAKAします」と、元祖
バカミス作家といっても過言ではない(?)辻眞先「長篇 異界活人事件」
で、ベスト3とする。作品自体よりコンセプトを評価して、採点は
7点

  

6/16 十月は二人三脚の消去法推理 霧舎巧 講談社ノベルス

 
 消去法推理ってどこが? 物理的なオマケに意味なんてあった? せっか
くの運動会だって、読者としてはちっとも愉しめてないんだけどぉ〜  

 クイーンの三大発明として挙げておきながら、あまつさえそれを題名とし
ても使っていながら、これかぁ〜? 「消去法推理」を期待して読むならば
まず間違いなく失望感しか味わえないだろう。            

 著者あとがきによると、本来は消去法推理ものにする予定もなかったとの
こと。狙いすまさずに、たまたまそれっぽくなったのでは(と受け取るのは
意地悪な見方なの?)、そう上手くいくはずもなかろうってとこか。  

 そもそも氏の言う逆消去推理ってのは、最後の最後の推理のことなんだろ
うなぁ。う〜ん、私の理解力不足なのだろうが、どういう理屈でそういう位
置づけになるのか、良くわからんかったなぁ。            

 でもって、それに加えて、長期的記憶槽の貧弱な人間にとっては酷なくら
い、これまでのシリーズを把握してないとよくわからない展開ばっかりで、
はぁ〜、さっぱり。                        

 でもさ、でもさ、前作からだって既にもう2年近くたってるんだよ。第一
作目
から数えれば、もう五年以上。氏の著作を制覇している、ファンの私だ
って、そんなの忘却の彼方に逝ってしまってたって、当然だよね。   

「今月の犯人?」であるという、ライオンさんに関するワン・アイデアは良
かったけど、他にはさっぱり楽しめなかった。氏の作品全体を通しても、迷
わずワーストに選んでしまう作品。採点は低めの
6点だ。       

  

6/19 猫の尻尾も借りてきて 久米康之 朝日ソノラマ文庫

 
 こんな隠れた名作があったとは!!!               

 昭和58年(1983年)のソノラマ文庫。こりゃあ内容と読者層とにギ
ャップあり過ぎだったろう。売れなかったのも納得。本書発刊当時は、大学
在学中でSF研に所属してたのに、そこでも話題になってなかったよなぁ。
こんな作品なら、大好きな人がいっぱいいたはずなのに。       

 今すぐハヤカワ文庫JAあたりで再刊して欲しい作品。       

 とにかく、この文庫のジュブナイル風味に騙されてはいけない。表紙もな
んだか凄くリリカル。たしかに時間物と言えば、の伝統に則り、ラブ・スト
ーリーなんだけどさ。それに「夏への扉」以来、時間物には猫がつきものな
のかもしれないけど。でもね、猫なんてちっとも出てこないし、そんなに甘
っちょろいだけの話ではないのだ。                 

 見かけにも関わらず、本書は実は意外にも硬派な作品。巧緻で複雑な(で
も、そこが愉しいんだってば)ロジックを駆使して、決定論的にタイム・パ
ラドックスの整合性を構築していくのだ。              

 ロジカル時間物として、広瀬正「マイナス・ゼロ」高畑京一郎「タイム
リープ」
と並び立つ名品。両作品のファンには絶対のお薦め。     

 というものの、とても簡単に現物を入手できる作品だとは思えないので、
興味を感じられた方は、是非図書館にてどうぞ。           

 掘り出し度合いを考慮して、いや、考慮しなくても、かな。採点は8点

 ところで作者のサイトを見ると、現在続編を書かれている様子。復刊と同
時に続編発売なんて、とっても期待したいところ。今度は猫も出るそうな。

  

6/20 迷宮パノラマ館 芦辺拓 実業之日本社

 
 せっかく凝り性の芦辺拓なんだから、一人雑誌を標榜するからには、「小
説たけまる増刊号」
くらいに、はっちゃけて欲しかった。しかしながら、こ
んなチャンスを氏がみすみす棒に振るとは思えない(勝手な思い込み)。き
っと作者の自由となる裁量は、さほど任せて貰えなかったのだろうなぁ。編
集サイドの失点!(やっぱり勝手な思い込み)            

 とはいえ、これでコリッコリの装丁になってたとしても、それならきっと
面白かったはずだとは、残念ながら言えない。            

 それもこれも私が根っからのミステリ者であるせいなのだろうが、本書は
バラエティに富んではいるものの(だから、という要素もあるし)、ミステ
リ成分としては、随分と薄い本なのだ。               

 ジャンル外が中心で、ミステリは主に若書きの類。デビュー前から、やっ
ぱり芦辺拓だったんだなぁ〜という雰囲気を充分に味わえはするが。  

 氏のファン以外には魅力の薄い作品集だと思う。採点は低めの6点。 

  

6/21 玻璃の天 北村薫 文芸春秋

 
 年々北村薫の文章に酔えなくなってきている自分がいる。本作なんか、北
村先生の国語の講義を受けているようで、どちらかと言えば苦痛すら感じて
しまったほどだ。氏の読者たる資格を失ってしまったのかもしれない。我な
がら勿体ないことだ。                       

 しかし考えてみれば、氏の作品に対して、ミステリとしてや作品として語
るよりも、語り口として語るしかなくなって、もはや久しい気がする。氏の
作品に7点を付けたのだって、98年の「朝霧」以降ないわけだし。  

 それなのにもう、語り口にすら魅了されなくなってしまったら、いったい
私は氏から何を読み取ればいいのだろうか?             

 本作なんか明らかにミステリである。人死にも出てくる。私のスタンスと
しては、ここを語るべきなのだろうが、本書の中ではそんなところはどうで
もよいような気さえしてしまうのだ。どちらかといえば、そこからの登場人
物達の心理の動きの方に気を取られてしまう。            

 それって結局、「本格ぅ〜〜」などというこだわりを持たない人達の読み
方と、等価になってきてしまっているのではないだろうか。      

 ひょっとして”北村薫を読む行為”は、私自身の感受性の衰えを感じさせ
るだけに留まらず、私からミステリ成分をも奪っていってしまってるのか?
北村薫は、私にとって、”じわじわと効く毒”なのか?        

 私シリーズの続編が出る日までは、毒に触れるべきではないのかもしれな
いな…… おっと、これって私の北村薫訣別宣言? 採点は
6点。   

  

6/26 狂人の部屋 ポール・アルテ ハヤカワ・ポケット・ミステリ

 
 アルテって、ほんとにカーが好きなんだな。本作ではアレがやりたかった
んだなって気持ちが、すっごくよくわかる作品。           

 そのために、怪異と現実との差違を際立たせるべく、あえて俗なくらいま
でのこてこてのネタばらしショーを演じて見せたりするのだ。     

 笑っちゃうくらい? 興醒めするくらい? 脱力するくらい?    

 そう思えてしまったとしたら、ある意味それはアルテにとっては、してや
ったりと言うべきところかもしれない。先程書いたように、それはまず間違
いなく、”あえて”という意図されたものなのだから。        

 ギャップを作ることが目的なのだから、マジックのネタばらしと同じちょ
っと冷めた感じを、いや、それ以上にここまでやるかというくらい、あきれ
果てさせる感じを演出すらしているのだ。              

 とまで言うと、深読みのしすぎなのかもしれないけどね(笑)    

 これまでは「トリック自体がバカ」だった。雰囲気を盛り上げるだけ盛り
上げておいて、脱力トリックに落とし込むというのが氏の常套手段。という
か、そうなっちゃうんだよな、きっと。いわば天然系。        

 しかし、本作の場合、「トリックの使い方がバカ」なのだ。トリック自体
がバカなのではなく(バカかもしれないが)、その使い様でバカを作り上げ
ている。芸風で表現するならば、天然系を逆手にとって、メタ的に自らの天
然を見下ろすことで笑いを取る、アンガールズの手法である。「バカのメタ
・レベルが一段上がった」と、ここでは表現しておこう(笑)     

 根っからのマニアが高じて作家になったんだな、という凝りっぷりが堪能
できるし、デビュー作以来の独特なメタ色まで健在。今年もやっぱり、アル
テには愉しませて貰ったな。代表作とまでは思わないが。採点は
8点。 

 しっかし、こんな一つ一つの細かいネタを、必死こいて仕込んでいくアル
テって、ちょっとお茶目さん(はぁと)               

  

6/29 6時間後に君は死ぬ 高野和明 講談社

 
 以前たまたま読んだことのある表題作同様、いずれも映画一本見たかのよ
うなエンタテインメント性で楽しませてくれる。普段好んで読むタイプの作
品ではないので、「いい」というよりも「好き」という主観評価としたい。

 本格偏愛者である自分としては、こういった傾向の作品を読む機会は少な
く、だから見当違いのことを書いてしまうかもしれないが、ミステリ系のエ
ンタメの場合、大きく二つの軸があるのではないかと思うのだ。    

 一つは情報系。一般には必ずしも馴染みの深くない職業や業界、それらを
ベースに目一杯情報を詰め込んで、エンタテインメントを形成する。こうい
った作品群を大きく一つの軸として育て上げてしまった要因は、乱歩賞の傾
向と対策に依るものと思っても、あながち間違いではあるまい。    

 もう一つは情感系である。これはある意味日本古来の伝統と考えても良い
かもしれない。情感への訴え方には様々あるが、犯罪を扱うミステリである
以上、プラス面よりはマイナス面が描かれる場合が多い。ドロドロだったり
陰惨だったり。哀感・悲愴感といった情感ならまだしも、嫌ミスと表現され
るような救いの無い作品が量産されているのも、最近の特徴だろう。  

 ところが本作はいずれにも属していない。からっとした湿り気のない文体
と、疾走感のあるプロットは、日本的というよりはハリウッド的な脳天気さ
(どちらかと言えば褒め言葉)を父に持つ作品のようだ。       

 表題作とそれに呼応する最終作がやはり出来は抜群なのだが、もう一作。
地味で特に何が起こるわけでもないし、ストーリーや設定としても、この1
本だけが異色な「時の魔法使い」も良かったなぁ。採点は満足の
7点。 

 最後に一つ。凄く好きな台詞をご紹介。「普通、というのは、多くの人が
いいと思って選んだからこそ、普通になったんじゃないでしょうか。」 

  

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