かなり強引(笑)「不条理と論理を駆使した超絶推理」という帯に惹かれ
て読んでみたのだが、「妄想とこじつけを駆使した超絶思いつき」ってなと
ころだろうか。って言うと否定的な物言いっぽいけど、軽妙読み物としては
結構いけてると思う。軽い本を手にしたい気分のミステリファン向け。 .
さすがは、こじつけのプロ(笑)言葉遊びなどを愛する私としては、「こ
じつけ」って行為は、実は結構レベルの高い知的遊戯なんじゃないかと思っ
ている。勿論それなりの説得力を生み出している場合に限るけども。もっと
言えば、ユーモア感も醸し出せていることが望ましい。あまりにも隙のない
こじつけじゃあ、こじつけを越えて論理の領域に入っちゃうから。とんでも
学説などが読んでいて面白いのは、このこじつけぶりが楽しいんだもんね。
そういう「こじつけ」の優良物件が、著者のデビュー作「邪馬台国はどこ
ですか」であったわけだ。本作でもテーマや雰囲気は全く違うのに、そうい
った面白さの一端を感じることが出来る。採点は6点だけども。 .
では、恒例のベスト3選出。ベストは「憑依する男の涙」最後のうっちゃ
りは全く読めなかった。くぅ〜、やられた。2位は「ニンフォマニアの涙」
最も笑えた作品。残り1作は「ざぶとん恐怖症の涙」ざぶとんの意味(笑)
最後に一つ。「拍手する教師の涙」で河本先生が読んでいたのは筒井康隆。